映画ガタカを観た感想と私流の解説 遺伝子と運命のイタズラ

未来の手術室 映画

今回は映画「ガタカ」についてです。

この作品は遺伝子操作の技術が進んだ近未来を描いたSF映画です。

1997年の作品ということで、最初に観たのは大分前になりますが、その時の印象は、静かな映画、無機質な冷たい色調、穏やかな感動、というものです。

再度見直すとまた色々感じることがあるのですが、凄く良い映画だということを改めて感じました。

レビューの評価も高いので、未見の人は一度観てみることをオススメします。

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ガタカの概要

106分 1997年

監督/脚本
アンドリュー・ニコル

出演者
イーサン・ホーク
ユマ・サーマン
ジュード・ロウ

「ガタカ」のあらすじ(ネタバレ)

主人公のビンセント(イーサン・ホーク)は両親の間に今で言えば普通に生まれた男の子でしたが、近未来での「普通の妊娠」は遺伝子操作により都合の悪い要素を排除したものでした。

ビンセントは検査の結果、心臓病のリスクが99%で推定寿命は30.2歳、その他様々な疾患リスクがある「不適正者」であることが分かります。

成長したビンセントは宇宙飛行士になるという夢を抱きますが、夢は叶わず宇宙局「ガタカ」を掃除する清掃員として働きます。

諦められないビンセントはブローカーから、優秀な遺伝子を持つ「適性者」でありながら事故で車椅子生活を送る水泳の元スター選手ジェローム(ジュード・ロウ)を紹介されます。

ビンセントはジェロームになりすまし、ジェロームとして生きることで、「ガタカ」の局員となります。

しかしある時、局内で殺人事件が起き、「不適正者」であるビンセントのまつ毛が発見されたことから疑いをかけられてしまいます。

ジェロームの協力もあり、無事疑いは晴れビンセントは宇宙へ飛び立ちますが、ジェロームは自らの命を絶つため焼却炉へ入ります。

「ガタカ」の私流の解説と感想

ウィキペディアによるとガタカ(Gattaca)という単語はG・A・T・CというDNAの基本塩基で綴られていると書いてあります。

ガタカという響きは印象が強いタイトルですが、なるほどこういう意味を含ませていたのかと今になって知りました。

「遺伝子操作」というと倫理に反するとか、神の領域に踏み込んではいけないと批判する人もいますが、この技術により救われる人がいる以上、研究を止めることはできません。

ですから、実際にこのような未来が訪れないとも限りません。
もうすでに出生前診断などで、誕生する命の選別が行われているのが現状です。

弟との水泳対決は何を意味する?

まず、ビンセントは自然に妊娠して生まれるという経過を辿った結果、心臓病というハンデを背負うことになります。

そしてこれを教訓にした両親の考えで、2歳下の弟のアントンは遺伝子操作の結果1,000人に1人という優秀な「適性者」として生まれます。

アントンは8歳にして兄の身長を追い抜き、度胸比べの水泳対決ではビンセントは弟に勝てず、「臆病者」と罵られる始末です。

ある時、水泳対決で奇跡的にビンセントが勝ちます。
これを機にビンセントは家を出て放浪することになります。

後にもう一度水泳対決することになりますが、やはりビンセントが勝ってしまいます。

なぜ勝てたのか、ビンセントは「戻ることは考えず全力で泳いだ」と説明します。
アントンは戻りの体力を考慮しつつビンセントについていくという泳ぎ方をした結果、体力が限界に達し溺れてしまいます。

つまり、最初に弟に勝った時点でビンセントは自分の生き方を見つけたのです。
水泳対決のように後先を考えず、行ける所まで行くという生き方です。

だから危険を冒して他人になりすましてでも夢を叶えるという手段を取ったのだと思います。
寿命が30年しかないハンデのある自分が夢を叶えるにはそれしか方法がないと悟ったのではないでしょうか。

また、激しく夢を追い続けようとしたのは弟との比較で刻まれたコンプレックスが原動力になっていたのかもしれません。

ジェロームとの関係

若き日のイーサン・ホークとジュード・ロウというイケメンの共演に喜ぶ女性も多いようですね。

ビンセントはジュード・ロウ演じるジェロームに似せるため、眼鏡をコンタクトレンズに変え、身長まで伸ばします。

余談ですが、身長を伸ばす方法は現代と変わらないようです。
わざと足を骨折させ、骨の回復を伸長に利用する方法です。
お金もかかりリスクもあるので手軽にできる方法ではありません。

そのジェロームは素晴らしい素質を持ったエリートとして生まれながら、水泳では銀メダル止まり、自殺を試みるも失敗し、その後立つこともできなくなるという予想だにしなかった人生を送ってきました。

遺伝子を変えたところで運命は変えられない、というか、むしろそれを体験するために生まれてきたのだと私は思います。
ここでは詳しく触れませんが、このことは人生を考える上で非常に重要なことだと思います。

「不適正者」ながら必死に努力し生きるビンセントにジェロームは心を動かされ、ジェロームとビンセントの間には単に契約を交わした関係以上の友情が次第に芽生えていきます。

最終的に宇宙に旅立つビンセントと焼却炉に入り自分の人生を終えようするジェロームという対照的な結末は、本来「不適正者」と「適性者」に待つ運命としては逆の結果です。

しかし、ただ単にその皮肉を描いただけでなく、自分に悲観して一度は死に損なったジェロームが、今度は友のために自分の名前を譲るという意味ある死を遂げようとする所に、とても深いものを感じます。

アイリーンについて

ビンセントの恋人となるアイリーンを演じているのはユマ・サーマンです。
ユマ・サーマンといえば「パルプ・フィクション」や「キル・ビル」で有名です。

私は誰かに似てるとずっと思っててなかなか名前が出てこなかったのですが、それは喜多嶋舞さんでした。近年めっきりイメージが悪くなってしまいましたが、それはともかく、顔の特徴はとても似てると思います。

さて、そのユマ・サーマン演じるアイリーンは、エリートではあるものの心不全のリスクを抱えています。

ビンセントが「不適正者」だと分かっても、別れなかったのは良かったです。

この世界観に彼女のキリっとした顔がとてもマッチしていると思います。

まとめ

この作品のテーマとして遺伝子と運命というものがあると思います。

現実世界でも、不細工で頭も良くないという人が成功している例は沢山ありますし、その逆もまた然りです。

結局は生きてみないとどうなるか分からないということでしょう。

自分の素材に悲観するかどうかは生い立ちにもよりますが、ビンセントは目標を達成することに集中した人生を送りました。

私は人生に良い悪いは無いと思っています。
法的にとか道徳的にはもちろん善悪はありますが、それを超えた運命の部分ではただ体験があるのみだと考えています。

ビンセントは「不適正者」でありながら、他人になりすまして目標を叶えることができましたが、これが良いか悪いかと議論する気にはなれません。

例えば、自分の顔が良くないことに悩み整形手術を受けて新しい人生を始めるというのも一つの選択であり、そこから学んだり体験することが重要なことだと思うのです。

整形を受けるか受けないかはただの選択でしかありません。

同様に自分や自分の子供の遺伝子操作を行うということもただの選択に過ぎません。

ただ選択したことを後悔しないように生きるしかないと思います。

人はそれぞれ多様なコンプレックスを抱えて生きていると思いますが、この映画はそういう自分に向き合うきっかけにもなる作品だと思います。

というわけで、やっぱり良い映画というのは色々なことを考えさせてくれるものですね。

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